2015年06月03日

ジグソーパズル

現場に入って活動をしていると、完成図の用意されていない「縁のないジグソーパズル」をしているような感覚を抱くことがある。

現場では、現場の成り立ち方や地域の様子、習慣や文化、歴史などをこちらの分かりやすい形で一挙に教えてくれるような人はおらず、すべて自分で、自分の足で集めていかなければならない。私が常日頃現場で行っている作業は、様々なところに足を運び、様々な人と会話し、様々なことを経験していく中で少しずつ情報を集め、地域の全体像を把握して行くことである。情報は、まるでジグソーパズルのピースのようで、それ一つでは何を意味しているのかわからないことが多い。そのピース(情報)を手にしても、「へー」とか「そうなのか」くらいにしか思わない。しかし、ピースを集め、集めたピースをつなげていくと少しずつ絵が見えてくることがある。この「絵が見える瞬間」が私はたまらなく好きで、絵が見えた時には名状しがたい幸福感に包まれる。「そういうことか!」となるこの瞬間のために村で日々生活していると言っても過言ではない。

一見すると、ピースのひとつひとつは、とるに足らないものに映る場合がある。しかし、いやむしろ、こういう場合にこそ、ピースをはめていく私自身の力量が問われていると思わずにはいられない。「取るに足らない」情報に接したとき、そのピースをどう絵にしていくかは、地域に入っていく者の手腕、切り口が問われているのではないか。一見してたいしたことのないことであっても、見方を変えると興味深い事実に変わることは往々にしてあることだ。

好奇心に際限がないのは人間の(私の?)性なのか、一カ所絵が見えてくると、その隣がどういう絵なのか気になってくる。この絵の横には一体どんな絵が描かれているのだろうか?今度はその絵を明らかにするためのピース集めを始める。ピースが少しずつ集まってくると、「もしかしてこういうことかな?」という仮説が生れる。そして、さらにピースを集めて検証していく。検証の結果、仮説が全く正しくなかったり、まだまだ調べていかないとわからない場合があったり、と中々スムーズには絵は見えてこないが、この失敗もまた私にとっては楽しみに変わる。私の仮説の多くは間違っていることも多く、逆にその分、挑戦しがいがあると思っている。

正しくなかった仮説の例は、村の女性達の出身地に関して情報を集めた時の話。現地社会は男系の血縁家族が中心となるから、男性らの移動に関しては比較的把握が容易だった。例えば、お世話になっている集落は、元々はナイジェリアのOyoが起源で、その後ポベに移り住んだあとに約80~90年前に現在の村へ移動してきている。村長家の集落は、ほぼ同じ時期にサケテ中心部のDéguéからやってきた。しかし、女性らは常に外から嫁いでくるので、みな出身地もばらばらであるし、どこからやってきているのか見当もつかなかった。そこで女性達に出身地を聞いていくと、なんとなく年配の女性は近隣の村出身、若い女性は少し離れた村出身の場合が多いように思われた。そこで、仮説として、「年配の女性らが嫁いできた時期には、道路も今ほど整備されておらず、また交通手段も限られていたことから近隣の村出身が多いが、若い女性らの嫁入りの時分には、道路は既に整備され、またバイクなどの交通手段も普及したことから少し離れた村からも嫁に来ているのではないか」を立てた。この仮説を基に、さらに多くの女性らに話を聞いていくと、年配の女性でも随分と遠くから嫁に来ている人もいれば、若い女性が隣村から嫁いできている場合も多かった。最初に聞いた数人のうちに「年配の女性は近く、若い女性は遠く」という傾向があっただけで、全体でみればそうした傾向は見られなかった。私の立てた仮説は実証されなかった。しかし、私はこうした作業を、仮説を実証するためにしているのではなく、ただ村のことをもっとよく知るためにしているのであるから、こうした失敗も私にとってはとても貴重で、また次の興味深い疑問に繋がっていくのである。「夫との出会いは?」

疑問は、いつまで経っても尽きることがなく、次々に湧いてくる。いや、疑問を一つ解決する度に、またあらたな疑問がたくさん湧いてきてむしろ知りたいことが増えてくる。この意味で、このパズルは永遠に終わらないのではないかと思われる。このパズルには、「縁」がない。

地域の地図という地理的な全体像だけでなく、人間関係、社会構成、歴史、習慣などありとあらゆることがこのパズルには描かれていて、ピースを集めはめていく作業は終わることがない。地域を囲う枠すらないのだから当然かもしれない。行政区分では、ここからここが村でそこから先が別の村、そしてここが市境、県境、国境などと線引きされているが、実際に生活している彼らからしてみれば、そんな線引き一切関係ない。特に、村界隈は出稼ぎも盛んであるし、複数の市場への行き来や他地域に住む親戚との付き合いなど人やモノの動きも盛んで、地理的な境界線はほとんど意味をなさない。このために、隣村にいって始めて意味を理解できる村で見つけたピースもあれば、村とはだいぶ離れた、例えばサケテ中心部での出来事との関連で見えてくる絵もある。どこにでもピースは転がっているし、どこまでもそのピースをつないでいくことが出来る。


「ジグソーパズル」を作っていく中で、情報の価値について考えることがよくある。私が関わっている村に関しては―大抵の場合、他の村もそうだと思うが―、その地域の情報が外にいては入手しづらい。つまり、村に入っていき、一つ一つ自分で情報を集めていかなければならず、また情報は体系化されていないから、様々なソースをあたり、様々な手段で集めていき、組み立てていく他ない。特に、村人にとって当たり前になりすぎている事柄は、彼ら自身も意識せずに行っていることも多いため、単に口頭で質問しただけでは、知りたい情報は手に入れられない。また、村人の間に流れる感覚や雰囲気などは、言語化された情報として得ることは出来ない肌で感じる情報である。このように村の情報は、なかなか入手しづらいが故に、入手するまでにいろんな出会いやストーリーが生じている。そして、こうした情報の背後にある出来事が、このパズルをより貴重な、唯一無二の素晴らしいものにしてくれている。

このパズルは、単に目標物としてのピース(情報)を集め、はめていけば完成するというわけではなく、その情報を集めた背後にある人々との会話や関わり、そこに至るまでの仮説検証や思考の巡り、ためらいや葛藤などを含めて、一つの絵として結晶して行くのである。仮に、私がこれまで明らかにした村の状況、人々の生活、価値観・世界観、彼らの持っている概念、人間関係や村の歴史や発展などについての情報が全く同じ形で記載されたガイドブックが存在するとしても、私が持っている情報は、そのガイドブックよりもはるかに価値のあるものだと自信を持って言いたい。情報の価値は、その情報にだけ宿るのではなく、どのような過程でその情報に辿りついたのかも含めて、一つの価値と私は考えるからである。

この意味で言えば、厳密に同じ価値を持つ情報というのは二つと存在しない。それぞれの情報は、その情報を持つ人との関わり合いの中で、その(付加)価値が見出されるため、似たような情報、表面上は同じ情報はあるにしても、厳密にはそれらの持つ価値は異なると言えるのではないだろうか。昨今は、インターネットが普及して、何かあるとすぐに「情報」検索をする。それは先進国に留まらない、任地サケテの中心部でも似たような光景を身にすることが増えてきた。「情報」にすぐ辿りつけるという意味では非常に便利ではあるが、それを得る過程の人間との関わりやストーリー、思考の巡りなんかが省略されてしまっていて、どうも情報の価値が軽くなっているような印象を抱く。こうして偉そうに書いている私自身もインターネットを利用するので、自分のことを棚に上げるつもりは毛頭ない。ただ、パソコンやスマホに向かって集める「情報」と、現地で実際の人間とのふれあいの中で無我夢中で集めて作り上げていく「情報」とでは、質において全く異なるのだということは常に頭に入れておくつもりである。後者の「情報」は、事実を重んじる立場からみると、不正確で正すべき情報も多々含まれていると思う。しかし、全く正確な人間というものが存在するだろうか?「情報」が事実と照らしてちょっとくらい不正確であっても、それはそれで人間らしくて素晴らしいことなのかもしれない。(もっとも、この「人間らしさ」を、事実をないがしろにすることを正当化するために使うつもりはない。)
posted by 木村だっくす at 06:44| Comment(2) | 活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月29日

手洗い設備(tippy-tap)設置が楽しい!

僕は眠れないなんてことはほとんどなくて、どこでもいつでも眠ることが唯一の長所みたいなところがあるのに、なぜか今夜は朝3時に目覚めてその後眠りにつけないのでブログ記事でも更新しようかな。
今回は活動について。


しぶとく学校訪問を継続しつつ、
手洗い場設置をやっている今日この頃。

学校訪問は、全校訪問(92校)する予定は当初なかったのだけど、視学官(配属先)からの要望と校長先生が「おれのところにはいつくるんだ?」とプレッシャーをかけてくるので、結局全部訪問することに。

といっても、遠い学校は30km以上離れていたりするから、訪問だけでもなかなか大変で、現在のところ70校。これは各学校への挨拶みたいなものなので、ぼちぼちやっていこうと思う。5月中に全部回れればいいかな。


さて、今日メインで話したいのは手洗い設備(tippy-tap,ティッピータップ、以下TT)の設置について。

TT設置が最近おもしろい!

学校訪問をしたときに、「この学校は手洗い場があったらもっとよくなるなー」と思う学校には、「いや実はですね、こういうものがあるんですよ…」とTTを売り込み。営業のような感じ。それで良い反応が返ってきた場合には、日程を調整して再訪問、設置という流れでやっている。

ドタキャンがざらなベナン社会だから、繰り返し「日程を調整」し、材料を用意してもらうように念押しし、あーだこーだあって、予定日の午後(午後の方がうまく行くことが多い)、設置開始。
設置は、校長先生か教員と5,6年生6人〜10人くらいでやっている。

まず、設置する場所を決める。
大抵の場合、教室の前がトイレの前。校長先生や他の教員に意見聞いて決める。僕も「トイレ前でどうですか?」とか提案はするけど先生たちの方が学校の事情をよく知っているので、そこらへんはお任せしている。

あとは、穴を掘って、木の長さを調整して、ポリバケツに穴あけて紐通したり、、、基本的にこういう仕事は子どもたちにやらせる。

ベナンの子どもたちがすごいのは、こういった作業はなんでも出来るところ。
穴掘らせたらあっという間に4、50cm掘るし、
あなほり.JPG

木を短くしてと指示すれば、ちゃちゃちゃっと切ってしまうし、
木を切る.JPG

この紐とあの木にくくりつけてといえばひょひょひょいってやる。
ひもつけ.JPG

日ごろからこういう作業に慣れているんだろうな〜。感心してしまう。

そうこうしていると、TTはだいたい完成している。
最後に石鹸をポリバケツの隣にくくりつけたら完成!
完成.JPG


「TT設置が最近おもしろい!」と書いた割に面白さをあまり文字化できていないけれども、
詰まるところなにが面白いのかというと、生徒や先生たちと一緒になって作っていく過程が面白いんですね、僕には。

熱心に話しを聞いて真面目に仕事をする生徒や
そこにいるだけ見ているだけの生徒、
はたまた、すぐ調子のって先生に怒られる生徒がいたり、

石鹸に穴をあけるときに、生徒たちが「それであけたら石鹸が割れる」と散々言うのに「やってみなきゃわからない」とやってみて結局石鹸を割る校長だったり、

先生たちや生徒達とあーでもないこーでもないって言いながらの作業だったり

完成したTTを使う時、「一人ずつ使いなさい」と言われてちょっとはやってみるんだけど、結局楽しくなっちゃって5秒後にはわーわーなっちゃう子どもたちだったり、

そうしている間の先生や生徒達とのたわいのない会話だったり、

なんかいいよなーって思う!
何がいいのかうまく言葉にできないけど、楽しい!って思う!

「一人ずつやりなさい!」「はーい!」
TT使ってみる子ども.JPG

5秒後
結果、わーわーなる.JPG



初めの方は、TT設置に僕自身が慣れていなかったからどぎまぎすることも多くて、うまく出来るか不安の方が大きかったけど、
最近は作業にも慣れ、手順もスムーズ、(フランス語での)説明もスムーズに出来るようになってきたおかげで楽しむゆとりが出てきたのかもしれない。

まぁ、うまくいくときもあればうまくいかないときもあるけど、今は、良いも悪いも一つの過程として楽しむことが出来ているから、とてもよい状態にある。
人並み以上に感情に波のある人間だから、きっとすぐに落ちる時が来ると思うけど、今は楽しいっていう事実には変わりはないから、その間だけでも楽しんでおこう、って思う!

過程を楽しむ!
よい写真.JPG

それでは〜
posted by 木村だっくす at 13:54| Comment(0) | 活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月20日

簡単な活動報告2(Tippy-Tap設置)

前回に引き続き、今回も活動について。

前回の記事(簡単な活動報告1)では、1.学校訪問と2.評価表作成について書きました。
今回は、これと並行して行っているTippy-Tapの建設についてです。


3.Tippy-Tapの設置

Tippy-Tapとは?
Tippy-Tap(ティッピータップ)って聞いたことありますか?

tippy-tapの絵.png

Tippy-Tapとは、現地のリソースを使って簡単に出来る手洗い場のことです。お金もほとんどかからず、小学生でも作れてしまうほど簡単な手洗い場です。

用意するものは、Y字に切った枝木2本、細めの枝2本、小さいポリバケツ(5Lほどが理想)、紐、あとは土を掘る道具やポリバケツに穴をあける道具(釘、それを熱するためのライターまたは蝋燭)。

ベナンの僕のいる地域では、これらの材料は簡単に、かつ大抵の場合はタダで手に入るので、経済的な投入はほぼゼロで手洗い場が設置出来ます、設置作業も仕組みも簡単なので、壊れた場合でも簡単に修理が出来るというのもメリットです。

また、手を汚すことなく、流水を利用できるところもTippy-tapの良い点です。

前任者さんは市役所衛生管理課職員達と共同でこのTippy-Tapをいくつか設置したようです。僕は、前任者から引き継いで、このtippy-tapというものの存在を知りました。

詳しい作り方や説明は、こちらをご覧ください。(外部リンク:tippytap.org)

今回の記事は、このTippy-Tapを小学校に設置した話です。以下では、手洗いの重要性、ベナンでの手洗い事情、Tippy-Tap普及目標(予定)について書きます。


手洗いの重要性
さて、そもそも何故手洗いが重要なのか。

それは、発展途上国で問題となっている下痢や急性呼吸器感染症(英:ARI/仏:IRA)は、ベナンでも同様に主要な問題とされているからです。死亡しないまでも、下痢などで体調を崩す子どもは多いようです。

水や食品の衛生などの問題もあるので手洗いだけでこれらの病気が防げるわけではありませんが、手洗いによってこれらの病気のリスクを大きく減らすことは出来ます。また、ベナンでは手で食事を取るため、手に着いた細菌が体内に入りやすいです。そのため(私見ですが)、手洗いによる病気予防の効果は他の場合より高いように思います。

日本の学校に行っていた人なら言われていたことだと思いますが、手洗いはただ水で洗えばいいのではなく、石鹸の使用と流水によって流すことが重要です。

そんな手洗い。ベナンの小学校でのその重要性の認知度はまずまずです。
具体的な数値で「これくらいの認知度!」と示すことはできませんが、学校で話を聞いていると、校長や教員、また生徒らも手洗いの重要性、石鹸を使う必要についてはある程度認識しているようです。手洗いで病気が防げることも理解しています。

しかしながら、僕が見る限り、そうした知識(頭では分かっていること、言われれば分かること)が実践に反映されていません。それが、これまでの学校訪問等を通じて分かった課題の一つです。


「手洗いは面倒くさい」その二つの理由
実践が出来ない理由はいくつかあるのでしょうが、端的にいうと、「面倒くさい」からです。

自分の場合を例に取ってみたらわかりますが、手洗いは面倒だからやらない、なんてことはざらにあると思います。日本にいる時ですら、面倒だなと手を洗わないことはしょっちゅうありました。

ベナンの小学校では、その面倒くささが倍増します。その理由は二つあるように思います。

@ 適切な場所に手洗い場がない
学校の衛生環境・保健設備は、当然学校によって状況は異なりますが、訪問した学校の多くで共通しているのは、トイレ前や食事をする場所に手洗い設備がないことです。日本の小学校にあるような水道なんて代物はベナンにはありません。

学校によっては、コンクリートと一つの蛇口で作られた「手洗い場(Lave-Main)」というのがトイレ前に設置されているところもありますが、大抵の場合、蛇口が壊れてしまっていて、使えない状態で放置されています。(いままで訪問した中では、「手洗い場(Lave-Main)」が設置されていて、それが機能している学校は1つもありませんでした。学校には予算というものがありますが、保健分野にかけられる予算は限られていて、故障した「手洗い場(Lave-Main)」を修理することは容易でないようです。)

手洗い場(Lave-Main).jpg
壊れた手洗い場

必要なところに手を洗う場所がなければ、いくら「手洗いは重要!」「実践しよう!」と言ったところで難しいと思います。

A手洗いは時間がかかる
手洗いなんてすぐに出来るじゃないかと思うかもしれませんが、ベナンの小学校での手洗いは時間がかかります。

ベナンの小学校で一般になされている手洗い実践は、2人一組で行われます。用意するものは、バケツ(水入れ)と桶(水受け)とコップと石鹸。

一人(Aさん)がバケツから水をすくい、もう一人(B君)の手にかけてあげます。B君は、石鹸を使ってゴシゴシと洗います。手洗いの重要性、やり方はそれなりに理解していますから、少なくとも僕の前または先生たちの前では、しっかりと手の平、手の甲、指の間、爪を洗います。B君が洗い終わると、Aさんはコップに水を取り、B君の手にかけてあげます。B君が終わると今度はAさんが同様の手順で手を洗います。

学校保健実践の比較的優れた学校は、手洗い用の水を各教室の前に確保しています。しかし、そうした学校であっても生徒数に対して、バケツやコップの数が少ないので、みんなが手を洗い終わるまでたくさんの時間がかかります。

そうなると、多くの生徒が一度に手洗いをする場面(食事前など)では、大変なことになります。ベナンは生徒の数がものすごく多いので、1クラスの人数は少なくて40人、多いと80人を超えることもあります。そんな人数で上の手順で手洗いをすると、それはそれは大変時間がかかります。ある小学校で観察したところ、一つのクラスでは、クラス全員が手洗いを追えるのに30分以上かかっていました。

手洗い実践.JPG
小学校での手洗いの様子。整列して行う。

これでは当然手洗いは「面倒なもの」になってしまいます。

自分がベナンの小学生の立場だとしたら、先生やボランティアが見ていないところでは手洗いはしないと思います。面倒ですから。


Tippy-Tapを普及させたい
さて、そんなわけで日本の場合と比べて、すごく「面倒くさい」ベナンでの手洗いですが、その面倒くささを半減させることができるのがTippy-Tapだと思っています。

トイレ前に簡単に設置でき、誰の助けもなく自分一人でささっと手を洗えるのですから、これが普及すれば、「手洗いは重要だ!」という知識から、「手洗いをする」という実践へつなげることができるのではないのでしょうか。

そんな風に考え、活動期間中の目標として、可能なら、管轄校92校すべてに設置したいなと考えています。すべてのトイレの前に手洗い場を設置する、それだけでも実践率はかなりアップするのでは、と踏んでいます。

とこうした意気込みの下、先日、Tippy-Tap第一号(正確には僕の任期が始まってから第一号)を配属先に隣接する小学校Sakete Centre/A小学校(日本の慣行にならって「サケ小」と呼びます)に設置しました。やった!

サケ小に設置したのは、校長がTippy-Tapに強い興味を示していたのと、他の多くの校長の目に触れるからです。

Tippy-tap全校設置のためには、まずは校長先生たちにその存在を知ってもらわなくては!この点、サケ小は配属先に隣接することから校長らを集めた会合などの会場となるため、他の校長にtippy-tapの存在を知らせるには持ってこいの場所です。ということで、そこに設置しました。(実際に他の学校の校長がTippy-tapを見て、興味を持ってくれたかどうかは、今の段階ではわかりません)

Tippy-Tap.JPG
サケ小校長とtippy-tap

そんなわけで、今後も普及させたいこのtippy-tapですが、設置は所謂「ハード」の協力です。今後は、設置と合わせて「ソフト」面の(生徒達の実際の意識や行動に働きかけるような)活動を並行して行っていければと考えています。が、現在はまだアイディアの段階なので、内容が固まり、実際に動き出したら、またお知らせしたいと思います。


なんだか今後の活動報告というよりかは、今後の予定を発表した形になってしまいました。

とにかく、一つ目標が出来つつあるので嬉しいです。
そんな感じで今年は活動頑張ります。


参考サイト
Tippytap.org(英語)

それではまた。お読みいただきありがとうございました。
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ラベル:活動 tippy-tap
posted by 木村だっくす at 09:17| Comment(0) | 活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月13日

簡単な活動報告1(学校訪問、評価表作成)

明けましておめでとうございます。

本年初ブログ更新。

「最近なにしているのー?」と先日twitterで協力隊同期に聞かれて、そう言えば活動について記事にしていなかったなと思い、今回はそれを記事にすることにしました。それと、2014年は活動を頑張っていきたいという思いも込めて、今年初ブログ更新を活動内容に関することに。
赴任から3カ月が経とうとしているところなので、ちょうどいい振り返りになるかな。

僕の要請は、「学校保健に関する活動をしてください」と大変大まかな要請なので、
何をやってもいい自由がある分、何をやっていいのかわからないというものでもあります。大学生になって急に自由になって、なにしたらよいのかわからない、あんな状況に似ています。

とはいえ、僕は前任者が下地を作ってくれていたおかげで、それなりにスムーズに活動に入っていくことが出来ました。
赴任から最初の一カ月は、配属先内部の様子や来所する人たちへの挨拶・人脈作りをしていました。これは以前記事にした通りです。

その後は、学校の様子を自分の目で見なければ何もわからないじゃないか、と思い、以下のような活動をしていました。


1.学校訪問
前任者からいろいろと資料をいただいていたおかげで、サケテ市内の小学校に関する「情報」は手元にあったのですが、
授業はどうおこなわれているのか、
どんな雰囲気なのか、
学校に行ったら何に注目すればよいのか、
どういう活動にするのか、
こういう疑問は「情報」だけでは解決せず、どうしても自分の目で見なければなりませんでした。そこで、11月の後半より学校訪問を少しずつ開始しました。

学校訪問.JPG

これまでのところ、これまで小学校12校(内、調査実施11校)、幼稚園3校を訪問しました。訪問校は、前任者の設定したパイロット校を中心に回っています。

自分としては、結構巡回した!と思っていましたが、こうして数字にしてみると大した数字になっていなくて、自分の「結構」は当てにならないなと実感します。

さて、訪問先の学校では、まずは現状確認ということで、
校長や教員へのインタビュー、トイレや手洗い場、各教室の飲み水の確保等の学校保健設備の確認、また、売り子周辺の衛生状況の確認を行っています。(ベナンの学校では、中年女性が校庭内で食事を売っています。生徒たちはここで朝ごはんや昼ごはん、お菓子を買います。)
チェックは、下に書く「学校保健衛生評価表」を基に行っています。


この学校訪問ですが、僕一人で行っているわけではありません。市内で学校保健活動に関わっている市役所衛生管理課職員(Animateurs d’hygiène et d’assainissement)と一緒に巡回しています(これもまた、前任者が作ってくれたコネクションのおかげで出来ていることです)。

彼らと巡回するメリットはいくつかあります。
メリット@コミュニケーション能力不足の解決
現地人の助けを借りると、コミュニケーションの問題は大幅に解決します。

学校訪問時の校長や教員とのコミュニケーションでは、短時間で効率的に情報を聞きとる必要があります。(短時間で効率的に情報を聞きとる必要性については別の機会に記事にしたいと思います。)ですが、僕の仏語力は、こうした短時間での効率的な聞き取りというのをするのに不十分です。
また、仏語が話せない売り子とのコミュニケーションは、彼らの助けなしにはほぼ不可能に近いです。(僕が出来る現地語は挨拶、それも「こんにちは」「お元気ですか」くらい。)

このコミュニケーションの穴を埋めてくれることは大変ありがたい。自分が発言する場面が異様に少ないのが気になっているところではありますが。

メリットA活動初期段階において、活動イメージを膨らませる
学校訪問時にどうふるまえばよいのか(礼儀、校長との接し方など)や学校保健のチェック項目についての知識がない活動初期段階において、同じ分野で活動する人たちの様子を間近で見れたことで、活動のイメージを膨らませることが出来たのは、僕にとっては大きな収穫でした。

また、ベナン人の仕事の仕方や仕事に対する姿勢などを垣間見ることができたのも大きかったです。今後の活動のアイディアにつながっています。


そんなこんなの学校訪問ですが、前任者設定のパイロット校がまだ数校残っているのでそれらの訪問までは続けます。あと2校!



2.学校保健衛生評価表の作成
学校訪問と並行して、「学校保健衛生評価表」なるものを作成しました。前述の市役所衛生管理課の人たちと共同で作成ました。正確には、市役所にもともとあった評価表をベースに作り直した、という感じです。

チェック項目は、保健委員会やトイレ(Latrines, Urinoirs)について、手洗い場の有無、飲み水の確保、売り子の衛生環境などについてです。
小学校用と幼稚園用を作成したのですが、どちらも100%完成とはまだ言えない状態で、いろいろと課題が残っています。

もっとも大きな課題は、各項目の質問事項とそれらにつけた点数の客観性が乏しいこと。
もともとあった評価表をベースにこの点数も配置しているのですが、現状ではその基準が明確ではありません。そのために、評価者個人の性格やその時の状況によって結果が変わる可能性が大いにあるため、評価表の信憑性に問題があります。

ある程度、調査が済んだ段階で、関係者の間で調査結果の情報共有を図る予定であり、また、今後もこの評価表を用いて学校保健環境、学校保健に対する各校の取り組みの進捗度を測っていく予定でもあるので、現状の評価基準が曖昧な評価表ではあまりよろしくない。

評価基準が明確で、ある程度誰が評価しても同様の結果が得られるような評価表作成にはもう少し時間がかかりそうですが、この評価表は今後の基準にもなりそうなので、少し時間がかかってもしっかりとしたものを作りたいと思ってます。

現在、ヒントを得るため、「プロジェクト評価の実践的手法 JICA事業評価ガイドライン改訂版」を読んでいるところです。


今回はこんな感じです。
配属先の管轄校92校全校訪問しよう、と思っていましたが、パイロット校訪問調査を終えた段階でいったん活動の計画を練ることにします。92校訪問は、時間がかかるうえに、明確な「軸」がないと「訪問をした」だけが成果となってしまう恐れがあるので、一旦慎重になって、2年間の活動プランを練りに練ってみたいと思います。活動のイメージもつき始めたことですし。

次の記事でも活動報告をします。

本年もよろしくお願いします。
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ラベル:活動 サケテ
posted by 木村だっくす at 06:16| Comment(0) | 活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月09日

サケテ視学官事務所(配属先)について

11月5日に、サケテ視学官事務所に(ようやく)配属されました。
これで、駒ヶ根から合わせて、約100日間の訓練が終わったことになります。

131101CSSakete.JPG
ここが視学官事務所。


配属先は、とても親切なことに僕の部屋まで用意されていました。

131106bureau1.JPG131106bureau2.JPG


でも、あれですよね、「視学官事務所」と言ってもなんのことかよくわからないですね。ということで、


視学官事務所とは

簡単に言うと、教育省(幼児・初等教育省)の出先機関のことです。

ベナンの行政区分は、一番大きい単位が(当然)国(National)、次に大きいのが県(Départment)、次に市(Commune)、その次が郡(Arrondissement)で一番小さい単位が村(Village)です。
「視学官事務所」というのは、ここでいう市(コミューン)レベルの教育に関わる公的機関。県(Départment)レベルでは、「県教育事務所(通称DDEMP、デダンプ)」設置されています。ベナンの教育関係省庁は、なぜだか3つもあり、視学官事務所の親元となっているは、「幼児初等教育省(通称MEMP、メンプ)」です。

Structure Administratif.jpg
Circonscription Scolaireというのが視学官事務所のことです。


サケテ視学官事務所は、市内の公立小学校92校と幼稚園8校を管轄しています。視学官事務所の役割は、教員研修や財務管理、カリキュラム管理など。

配属先には、視学官(1名)、教育指導主事(3名)、秘書(1名)、会計士(1名)がいて、僕を含めて6人、全員男性です。

視学官は組織のトップ。教育指導主事は、校長などを対象に、教員養成指導などを行っています。


と、こんな環境で活動をすることになりました。

とにもかくにも、とりあえずは、焦らず人間関係の構築から始めたいと思います。


僕が今現在、ここで何をしているのかについては、また別の記事で書きたいと思います。

今日もお読みいただきありがとうございました。にほんブログ村 海外生活ブログ 青年海外協力隊へ
ラベル:活動 学校保健
posted by 木村だっくす at 09:45| Comment(0) | 活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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